オスルニア
◯ この薬は
長期間作用型の点耳薬です。外耳炎で使用します。
◯ 作用
3種類の薬品の合剤です。
1. フロルフェニコール:チアンフェニコール系抗菌薬。 細菌の70Sリボゾームの50Sサブユニットに結合し、ペプチド転移酵素を阻害することによってタンパク合成を阻止し、静菌的な抗菌活性を発揮する。
2. テルビナフィン:アリルアミン系抗真菌剤。真菌細胞内小胞体の主要構成脂質であるエルゴステロール合成系に作用し、スクアレンからスクアレンエポキシドへのエポキシ化を阻害して抗真菌効果を発揮する。
3. ベタメタゾン酢酸エステル:合成副腎皮質ステロイド。ホスホリパーゼ A2阻害蛋白を合成することにより炎症のメディエーターであるプロスタグランジンやロイコトリエンなどを生成する一連の反応を抑制し、抗炎症作用を発揮する。
◯ 効能
抗菌薬はブドウ球菌、プロテウス、大腸菌に効果。抗真菌薬はマラセチアに効果。ステロイドは炎症による痒みや腫れを緩和する。
ゲル状の薬なので頭を振っても飛び散らないため長期間効果が持続する。
1回の点耳1〜4週間効果が持続する。
◯ 副作用
高齢犬でまれに聴覚障害があるが一過性でしばらくすると回復する。
具合が悪くなった場合は別の病気が悪化したせいかもしれません。副作用のせいだと思い込まずに、早めに病院にご相談ください。
◯ 相互作用
報告はない。
◯ 注意
この薬は寄生虫や緑膿菌には効果がありません。
1回の投与で改善しない場合は、別の原因が考えられるので早めに診察を受けましょう。
再発した場合は、アレルギーなどの可能性があるので早めに診察を受けましょう。
外耳炎は治療を続けることが大切です。一旦、症状が良くなっても診察を受けましょう。